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法令と公表資料からの写しです。
体験や成績は書いていません。

NISAとiDeCoは別の法律

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NISAとiDeCoは、よりどころにしている法律が別々です。かたほうは税金の法律、もうかたほうは年金の法律に書かれています。この記事では、引き出せる時期、掛けたお金の扱い、受け取り方の3点を、条文の場所つきで並べます。

よりどころの法律

NISAのよりどころは租税特別措置法です。第37条の14は「非課税口座内の少額上場株式等に係る譲渡所得等の非課税」という見出しで、非課税口座の中で売って出た利益に所得税を課さないと定めています。

配当のほうは第9条の8が受け持ちます。

iDeCoのよりどころは確定拠出年金法(平成13年法律第88号)です。同法第73条により、企業型年金の給付についての規定が個人型年金にも準用されます。

個人型年金を運ぶのは国民年金基金連合会で、同法第2条第5項でいう「連合会」がこれにあたります。

税金の法律と年金の法律。土台がこれだけ離れているので、決まりの中身も別のかたちになります。

引き出せる時期

iDeCoには、受け取りはじめの年齢についての条文があります。確定拠出年金法第33条第1項は、老齢給付金を請求できる条件を、年齢と「通算加入者等期間」の組み合わせで定めています。

この期間は、掛金を出した月と、出さずに預けたままの月のうち、60歳に達した日の前日が属する月までを足した期間です(同条第2項)。

同項の各号は、60歳以上61歳未満なら10年、61歳以上62歳未満なら8年、62歳以上63歳未満なら6年、63歳以上64歳未満なら4年、64歳以上65歳未満なら2年、65歳以上なら1月と並べています。

受け取りはじめが遅いほど、求められる通算加入者等期間は短くなります。

同項のただし書は、通算加入者等期間がない60歳以上75歳未満の人について、加入者となった日など厚生労働省令で定める日から5年を経過した日から請求できるとしています。

NISAの側は形が違います。租税特別措置法第37条の14第5項第1号は、口座を持てるのを「その年1月1日において十八歳以上である者」と定めますが、同条には売る時期を年齢でしばる定めは置かれていません。

60歳より前は

確定拠出年金法の附則第3条第1項は、60歳より前に脱退一時金を請求できる場合を定めています。ただし条文は「次の各号のいずれにも該当する者」という書き方で、7つの条件を全部満たすことを求めます。

並んでいるのは、60歳未満であること、企業型年金加入者でないこと、障害給付金の受給権者でないこと、資格を最後に失った日から2年を経過していないことなどです。

通算拠出期間や個人別管理資産の額についての条件もあり、細かい線引きは政令にゆだねられています。

同条第5項は、脱退一時金を受け取ると、それまでの加入者期間などを第33条第1項の通算加入者等期間に算入しない、とも定めています。

掛けたお金の扱い

iDeCoの掛金は、所得税法第75条の「小規模企業共済等掛金控除」に入ります。

同条第2項第2号が確定拠出年金法の「個人型年金加入者掛金」を挙げ、同条第1項は、支払った金額をその年の総所得金額などから控除すると定めています。

上限は確定拠出年金法第69条を受けた同法施行令第36条にあります。1か月あたり、国民年金の第1号被保険者などにあたる第1号加入者は6万8000円、企業型年金にも他の制度にも入っていない第2号加入者は2万3000円です。

下限は国民年金基金連合会の個人型年金規約第73条第2項にあり、5,000円に月数を掛けた額以上とされています。

NISAで買った金額は、所得税法第75条第2項が挙げる3つのどれにも当たりません。年に受け入れられる額は租税特別措置法第37条の14第5項第6号にあり、特定累積投資勘定は120万円、特定非課税管理勘定は240万円です。

同号は合計の上限を1800万円、うち特定非課税管理勘定の分を1200万円としています。

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受け取り方と所得の区分

確定拠出年金法第35条第1項は「老齢給付金は、年金として支給する」と定めます。第2項は、規約でそう定めた場合に、全部または一部を一時金として支給できるとしています。第73条により、これらは個人型年金にも準用されます。

受け取り方が変わると、所得の区分も変わります。一時金は所得税法施行令第72条第3項第7号で退職手当等とみなされ、年金は同施行令第82条の2第2項第6号で公的年金等に入ります。

どちらの条文も、企業型年金規約と個人型年金規約の両方を名指ししています。

NISAは租税特別措置法第37条の14第1項が譲渡による所得そのものに所得税を課さないとする形なので、受け取り方で所得の区分が分かれるという話が出てきません。

請求しないまま75歳

確定拠出年金法第34条は、老齢給付金の支給を請求しないまま75歳に達したときは、記録関連運営管理機関等の裁定にもとづいて支給すると定めています。この条文も第73条によって個人型年金に準用されます。

給付の種類は同法第28条にあり、老齢給付金、障害給付金、死亡一時金の3つです。NISAの条文には給付の種類という考え方がなく、口座と非課税の範囲を定める形になっています。

ここまでの条文は、いずれもe-Gov法令検索で法令名から引けます。この記事の数字は、どれも同じ段落の中に条文の場所を書いてあります。

NISAとiDeCoで、条文の置き場所がどう違うか

3列(項目/NISA/iDeCo)の表。値はすべてe-Gov法令検索の原文で確認ずみ。 1行目「よりどころの法律」:NISA=租税特別措置法 第37条の14(譲渡益)・第9条の8(配当)/iDeCo=確定拠出年金法(平成13年法律第88号)、個人型年金へは第73条で準用 2行目「始められる人の区分」:NISA=その年1月1日において18歳以上(第37条の14第5項第1号)/iDeCo=国民年金の第1号〜第3号被保険者と任意加入被保険者(第62条第1項各号) 3行目「受け取りはじめの決まり」:NISA=年齢でしばる定めなし/iDeCo=第33条第1項。60歳以上61歳未満は通算加入者等期間10年、61歳以上62歳未満は8年、62歳以上63歳未満は6年、63歳以上64歳未満は4年、64歳以上65歳未満は2年、65歳以上は1月。同項ただし書=通算加入者等期間がない60歳以上75歳未満の人は、厚生労働省令で定める日から5年を経過した日から請求できる 4行目「60歳より前の引き出し」:NISA=定めなし/iDeCo=附則第3条第1項の7つの条件をいずれも満たす場合の脱退一時金のみ 5行目「掛けたお金と所得税」:NISA=所得から差し引く定めなし(所得税法第75条第2項の3号のいずれにも当たらない)/iDeCo=小規模企業共済等掛金控除(所得税法第75条第1項・第2項第2号) 6行目「1年の上限」:NISA=特定累積投資勘定120万円・特定非課税管理勘定240万円、合計1800万円(うち1200万円)=租税特別措置法第37条の14第5項第6号/iDeCo=1か月あたり第1号加入者6万8000円・第2号加入者2万3000円ほか=確定拠出年金法第69条、同法施行令第36条 7行目「受け取り方」:NISA=いつ売っても譲渡益が非課税(第37条の14第1項)/iDeCo=年金が原則、規約に定めがあれば一時金も可(第35条第1項・第2項)。一時金は退職手当等とみなす(所得税法施行令第72条第3項第7号)、年金は公的年金等(同令第82条の2第2項第6号)

出どころ

  • 租税特別措置法(昭和32年法律第26号) 第37条の14第1項・第5項第1号・第5項第6号、第9条の8 原文
  • 確定拠出年金法(平成13年法律第88号) 第28条、第33条第1項本文・同項ただし書・第2項、第34条、第35条第1項・第2項、第62条第1項、第69条、第73条、附則第3条第1項・第5項 原文
  • 確定拠出年金法施行令(平成13年政令第248号) 第36条(拠出限度額) 原文
  • 所得税法(昭和40年法律第33号) 第75条第1項・第2項第2号(小規模企業共済等掛金控除) 原文
  • 所得税法施行令(昭和40年政令第96号) 第72条第3項第7号(退職手当等とみなす一時金)、第82条の2第2項第6号(公的年金等とされる年金) 原文
  • 国民年金基金連合会「個人型年金規約」 第73条第2項(加入者掛金の最低額)、第73条第3項(1,000円単位) 原文

法律や制度は変わります。手続きをするときは、上の原文をその時点でもう一度お確かめください。